2026.02.09
ベトナムのEV市場
GLOBAL ANGLEはこれまで、ベトナム市場および電気自動車(EV)市場に関する知見を深めてまいりました。本記事では、それを踏まえ、ベトナムEV市場動向の中でも特に注目される、電動化に対するベトナムの消費者意識について掘り下げていきます。
現在のベトナムのEV市場はどのような状況にあるのでしょうか。
急速に成長する市場:
- ベトナムではEV市場が急成長しており、自動車市場全体としてもASEAN地域の中で最も成長が速く、電動化の進展が特に顕著な市場となっています。こうしたベトナムEV市場動向は、域内でも高い注目を集めています。
- 2025年第3四半期時点では、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、バッテリー式電気自動車を含む電動車(xEV)の販売台数は、前年同期比で62%増加しています。
- また、EVに対するベトナムの消費者の認識は、世界的に見ても非常に前向きな水準にあります。
人気の高いEVのタイプ:
- ベトナムの消費者の間では、電動バイク、電動二輪車、電動スクーター等の小型EVが最も人気の高い車両となっています。一方で、電気自動車(EV)への関心も着実に高まっており、ベトナムにおける電気自動車普及の裾野は広がりつつあります。
主要プレーヤー:
消費者は今後の車両購入において、どのような点を重視しているのでしょうか。

参照: KPMG
- ベトナムの消費者の多くは、次回の車両購入においてフルEVを選好しており、電動化に対して前向きな姿勢がうかがえます。こうした傾向は、ベトナムのEV消費者意識を理解するうえでも重要なポイントです。
- これに対し、内燃機関車(ICE)の支持は低下傾向にあり、今後購入する車両としてEV(フルEVおよびハイブリッド車)を希望する消費者は7割を超えています。

参照: KPMG
- フルEVやハイブリッド車といった新しい技術を支持する消費者の中心は、経済的な自立が進んでいるZ世代やミレニアル世代です。こうした若年層の選好は、今後のベトナムでの電気自動車の普及を左右する重要な要素といえるでしょう。
ベトナムの消費者がEVを選好する背景には、何があるのでしょうか。
政府の政策:
- ベトナム政府による各種優遇策により、EVの購入価格は1台当たり1億ドン以上引き下げられています。さらに、EVの登録費用は2027年2月まで免除されており、ASEAN域内で生産されたEVに対する輸入関税もゼロに据え置かれています。
- また、ベトナムが2050年までのネットゼロ達成を掲げていることを背景に、国内では環境配慮型車両の導入が進んでおり、ベトナムにおける電気自動車普及を後押ししています。消費者の選択にも、こうした政策が大きな影響を与えています。
環境面への懸念:
- ホーチミン市やハノイなどの大都市における大気質の悪化も、EV支持の高まりを後押ししています。特にZ世代やミレニアル世代の間で、その傾向が顕著に見られます。環境意識の高まりは、ベトナムのEV消費者意識の変化を示す象徴的な動きのひとつです。
ベトナムのEV市場の将来性はどの程度期待できるのでしょうか。
継続的な成長が見込まれる市場:
-
ベトナムのEV市場規模は、2025年の31.2億米ドルから2031年には88.4億米ドルへと大きく拡大すると予測されており、2026年から2031年までの年平均成長率(CAGR)は18.95%に達する見込みです。こうした数値からも、今後のベトナムEV市場動向には引き続き大きな注目が集まると考えられます。
-
また、乗用EVの普及率は、2022年時点では国内保有台数全体の0.3%にとどまっていましたが、2030年までには20%を超える水準まで上昇すると期待されています。



